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第1章〜プロローグ〜

  • 執筆者の写真: はやたたくや
    はやたたくや
  • 2020年10月6日
  • 読了時間: 1分

それは不可解な出来事だった。観たことのあるような、ないような。

体験したことのあるような、ないような。世の中には物が溢れ、情報が錯綜し、あらゆるモノやコトが簡単に手に入るこの時代、不思議な感覚にそれを観た私は囚われた。


そう、それは初恋に近いのかもしれない。まさしく心を奪われたのだ。


私をその不可解な出来事であり、不思議な感覚にさせた初恋の相手こそ、そう『逃走中』である。私はマトモな人間である。真面目な人間でもある。


しかし、この番組を観ている私は自我を失い、それはまるで空を飛ぶペンギン、いや縄跳びができる子豚のように俊敏になり、神経が研ぎ澄まされる。汗をかき部屋中を飛び回る。


自称・妄想ハンターから逃げるごっこである。


逃走中に出るために今まで恋愛を断ってきた。

モテないとかモテるとかではなく、私は逃走中に恋している。


ただ、それだけだ。

 
 
 

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